平屋住宅と耐震

注文住宅においては、平屋住宅も十分な耐震性が必要です。新築の時点で十分な耐震性を持たせておけば、将来も耐震改修をする必要がなく、安心して暮らせます。建築基準法では平屋建ての筋違い壁の量は、2階建ての2階部分の筋違い壁の量とほぼ同じです。平屋住宅も、2階建ての2階も、最上階であることに変わりはありません。平屋住宅の耐震性で気をつけなければならない点は、屋根の重さです。2階のない平屋住宅は、2階の積載荷重を心配する必要はありませんが、屋根に雪が積もった場合に、思わぬ荷重の増加となることがあります。積雪地では十分な備えをしていても、通常雪の少ない地域では、積雪荷重はあまり考えずに設計を行っています。近年の日本は異常気象が続いているために、普段積雪の少ない地域でも、大雪に見舞われる心配が出てきました。積雪に対して屋根が壊れないよう、梁や垂木の太さは十分な大きさが必要です。

平屋住宅は建築面積が大きくなる場合があり、地盤の違いに対する配慮が求められます。郊外の造成地は、切り土と盛り土を交互に行うことで、効率的な開発を行っています。平屋住宅が切り土と盛り土を跨いで建つ場合、地震により大きな被害を受ける可能性があります。切り土と盛り土では地震による揺れ方が異なるために、建物が又裂き状態となり、甚大な被害を及ぼすことがあります。平屋住宅では、切り土と盛り土を跨いで建てることは危険です。その場合は事前に地盤調査を十分行い、建築する場所は切り土か盛り土のどちらかに絞るべきです。

平屋住宅は建物が桁方向に長くなる場合があり、筋違いの入れ方に注意が必要です。筋違い壁等を設置する量は建築基準法により決められていますが、各方向にバランス良く配置することも規定されています。壁の端から1/4の部分に筋違い壁が多く必要ですが、平屋住宅の場合は、中間部分に耐震壁のない空白部分が生じる恐れがあります。平屋住宅の中間部分に耐震壁がない場合は、耐震壁の追加を要求する必要があります。住宅メーカーや専門家である建築士は、建設費を安く抑えるために、法律すれすれの量の筋違い壁しか設けない場合があります。しかし、近年地震が頻発する日本では、建築基準法すれすれの壁量では不安が残ります。現代は住宅の安全を施主が選択する時代です。施主が耐震壁を多く要求することにより、専門家も安心して壁の量を増やすことができます。平屋住宅でも2階建てに劣らない耐震対策が必要です。